「今月でやめさせてください」。この1通が届いた日は、スマホを持ったまま手が止まります。引き止めたい気持ちと、さみしさと、「何か悪いことをしたかな」という不安が、いっぺんに来ますよね。返事を書いては消して、をくり返している先生も、きっといらっしゃると思います。
退会の連絡への返事は、引き止めず、お礼と「いつでも戻れること」を伝える1通で十分です。この記事では、お子さんの保護者に送る場合と、大人の生徒さんに送る場合に分けて、そのまま使える例文をご紹介します。
この記事で分かること
- 退会の連絡に返事をするときの、3つの考え方
- 保護者・大人の生徒さん、それぞれに送れる返事の例文(○○の部分を入れかえるだけ)
- 送る前に見ておきたい、3つの点検
退会の返事は「引き止めない」が基本

退会の返事で大事にしたい考え方は、3つです。
- 引き止めない。「もう少しがんばってみませんか」は、言われた側にとっては、もう一度断らないといけない言葉になります。
- お礼と、いつでも戻れることを伝える。入れるのは、この2つです。
- 最後の1通が、教室の印象として残る。何年通ってくれた方でも、最後に受け取った1通の印象が、そのまま教室の印象になります。
そして、理由は聞かないのがおすすめです。気になる気持ちはよく分かります。でも、聞かれた側は、答えを用意しないといけなくなります。聞かれないほうが、相手は楽です。
なお、返事を送るタイミングは、その日のうちに「ご連絡ありがとうございます。承知しました」とだけ返して、くわしい返事は次の日でも大丈夫です。気持ちがゆれているときに、長い返事は書かないほうがいいからです。
では、保護者から連絡が来たときの返事から、見ていきましょう。
保護者に送る、退会の返事の例文
お子さんが退会するときは、連絡をくれるのは保護者の方です。お子さんの名前と、思い出の場面を1つ入れると、定型文に見えなくなります。思い出は「発表会のあの曲」「はじめて両手で弾けた日」など、その方だけの場面が1つあれば十分です。
まずは、受験を理由に退会するときの返事です。ご自分の言い方(先生の呼び方など)に直して使ってください。○○は保護者のお名前、△△はお子さんのお名前、□□は思い出の曲や場面を入れます。
受験に向けて、いよいよですね。
△△ちゃんがここまで続けてきたこと、
とてもうれしく思っています。
とくに「□□」は、いまでもよく覚えています。
ピアノは、いつでも戻ってこられます。
落ち着いたころに、また弾きたくなったら、
ひとこと声をかけてくださいね。
受験、心から応援しています!
次は、理由が書かれていない退会の連絡への返事です。いちばん短く、そして迷ったときにも使いやすい1通です。
承知しました。
これまで通ってくださって、
本当にありがとうございました。
△△ちゃんと一緒に音を出す時間は、
私にとっても楽しい時間でした。
また弾きたくなったら、
いつでも声をかけてくださいね。
理由は、聞いていません。「ひとことだけ」の連絡には、短く返すのがコツです。長い返事は、相手に「長く返さないと」と思わせてしまうからです。
大人の生徒さんに送る、退会の返事の例文

大人の生徒さんの場合は、仕事や体調、ご家族のことなど、お子さんとは別の事情があります。お礼の中に、その方が弾けるようになった曲を1つ入れると、気持ちが伝わります。
仕事が忙しくなって退会する方への返事は、次のような形です。
お仕事、お忙しいんですね。
そんな中で、ここまで通ってくださって、ありがとうございました。
「□□」が弾けるようになったときのこと、よく覚えています。
楽器は、逃げません(笑)
落ち着いたら、またいつでも戻ってきてください。
お体に気をつけて、お過ごしくださいね。
体調やご家族のことが理由のときは、「お大事に」で終えて、レッスンの話を足さないようにします。「また弾ける時期が来たら、いつでも声をかけてください」のひとことだけで、十分です。
月謝や退会の決まりの話は、お礼の返事とは別の1通で伝えます。お礼の1通にお金の話を混ぜると、お礼の気持ちが伝わりにくくなるからです。
ここまでの例文は、ほんの一部です。ほかにも、引っ越し、家計の事情、本人のやる気、上達を感じられない、など、場面によって言葉を選ぶ必要があります。
送る前に見る、3つの点検
返事を書き終えたら、送る前に次の3つを見てください。
- 質問で終わっていませんか。「何かありましたか?」「もう少し続けてみませんか?」で終わると、相手はもう1通書かないといけなくなります。
- 自分の気持ちを、書きすぎていませんか。「さみしいです」「残念です」は、1回まで。それ以上書くと、相手が「悪いことをした」と感じてしまいます。
- 相手の文より、長くなっていませんか。1行の連絡に、20行の返事は重たいです。相手の長さに合わせます。
返事を書くのが苦手な日は、AI(ChatGPTなど)に下書きを頼む方法もあります。次の文を貼って、【 】の中だけ書きかえてください。AIは秘書だと思って、最後は自分の言葉に直して送ります。
生徒さんから、退会の連絡が来ました。返事の下書きを書いてください。
・相手:【小学4年生の女の子のお母さん】
・通った期間:【3年】
・理由:【中学受験のため】
・思い出:【去年の発表会で「エリーゼのために」を弾いた】
・決まり:引き止めない。理由は聞かない。
お礼と「いつでも戻れること」を入れる。
・長さ:200字くらい。やわらかい言葉で。絵文字は使わない。
AIに貼る前に、生徒さんのお名前や連絡先は消してください。
まとめ
- 退会の返事は、引き止めず、理由も聞かず、お礼と「いつでも戻れること」を伝える
- 保護者には、お子さんの名前と思い出の場面を、大人の生徒さんには、弾けるようになった曲を1つ入れる
- 送る前に「質問で終わっていないか」「気持ちを書きすぎていないか」「相手より長くないか」を見る
今日やることは、1つだけです。いちばん最近、退会の連絡をくれた方を思い出して、もし返事が気になっているなら、ひとこと書いてみませんか。
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