生徒さんが増えてくると、「月謝の締め日は?」「振替は何回まで?」と、同じことを何度も聞かれるようになります。そのたびに答えているうちに、教室の決まりを1枚の紙にしておきたい、と思う先生は多いのではないでしょうか。
先に結論です。教室の決まりは、「してはいけないこと」の一覧にせず、「こうしてくださると助かります」と、理由を一言添えて書くと、守ってもらいやすくなります。
この記事では、ピアノ教室の規約(教室の決まり)に入れておきたい項目と、それぞれの短い文例、入会のときの渡し方をお話しします。
この記事で分かること
- 規約に入れておきたい7つの項目
- 項目ごとの、短い文例(お名前や日にちを入れかえて使えます)
- 入会のときに、保護者の方と一緒に読む渡し方
※ 例文の一人称は「私」で書いています。ご自分の言い方(先生・お名前など)に直してお使いください。
規約に入れておきたい7つの項目

教室の決まりに入れておくと、あとで困りにくい項目は、次の7つです。
- 月謝の支払い(金額・締め日・方法)
- 振替(何回まで・いつまで・当日の扱い)
- 休会
- 退会(いつまでに、どう伝えるか)
- 発表会(参加は自由か、費用はどうか)
- 連絡の受付時間(LINEなどに、いつ返事をするか)
- 写真・動画の扱い(SNSやお便りに載せるか)
全部を細かく決めなくても大丈夫です。まず、先生の教室で、よく聞かれることから書きはじめます。
なお、金額や期限など、お金に関わる決まりは、ご自分の教室の実際のやり方に合わせて書いてください。法律にかかわる部分(契約、解約、個人情報の扱いなど)は、専門家に確認すると安心です。この記事は、法律の正しさを保証するものではありません。
項目ごとの、短い文例
どの項目も、「決まり」→「一言の理由」の順で書きます。○○、◇の所を、ご自分の教室に合わせて入れかえてください。
まず、月謝です。
月謝は、毎月◇日までに、◇◇でお支払いください。
先生が、毎月の準備をしやすくなるため、ご協力をお願いします。
次に、振替です。
前日までのご連絡で、月に1回、振替ができます。
当日のご連絡でも、気にせずお知らせください。
休会と退会は、気持ちの負担が少ない言い方にします。
お休みも、おやめになる場合も、理由は伺いません。
LINEで、ひとことお送りください。
退会は、◇月◇日までにお知らせいただけると、準備ができて助かります。
発表会、連絡の受付時間、写真についても、短く書いておきます。
発表会への参加は、自由です。
参加の確認は、◇月ごろにお知らせします。
【ご連絡について】
LINEは、平日の夜◇時までにお返事します。
お急ぎの場合も、まず、LINEでお知らせください。
【写真・動画について】
発表会の写真や動画を、教室の◇◇に載せたいと考えています。
載せてよいかどうかは、あらためてお尋ねします。
載せないことを選んでも、まったく問題ありません。
どの文も、「〜は一切受け付けません」のような冷たい言い方は使っていません。決まりの内容は変えずに、助けてほしい理由を一言添えるのが、ポイントです。
入会のときに、一緒に読む渡し方

決まりは、作って終わりではなく、渡し方でも伝わり方が変わります。おすすめは、入会が決まった日に、保護者の方と一緒に、1枚を読む形です。
- 1枚にまとめる(長くなるなら、大事な項目を先に置く)
- 全部を読み上げず、「気になる所だけ、あとで聞いてくださいね」と伝える
- 質問があったときの連絡先と、返事の時間も書いておく
渡すときの一言も、決めておくと安心です。
レッスンを気持ちよく続けていただくために、
教室の決まりを、1枚にまとめました。
読んで、分からない所があれば、
いつでもLINEで聞いてくださいね。
決まりを変えたいときは、先に、全員にお知らせします。月謝の変更などは、変更の前に、お知らせを送る形にします。
これらの項目は、教材『教室のホームページの文章を、1日で書き直す』の「アクセスと教室の決まり」の考え方(理由を一言添える、冷たい言い方にしない)に沿っています。ホームページに同じ内容を載せておけば、入会前の方にも安心してもらえます。
ここで、規約を書くときに、よくあるつまずきを3つ挙げます。
- 項目が多すぎて、保護者の方が読む気をなくす:まず大事な項目だけにする
- 「できません」「禁止」ばかりで、冷たく見える:「こうしてくださると助かります」に近い言い方にする
- 書いたまま、見直さない:年に1回、決まりが今のやり方に合っているか見直す
規約は、先生を守る紙であると同時に、生徒さんが安心して通うための紙です。だから、読んだ人が、「この教室なら大丈夫」と思える言葉を選びます。
金額や期限を書いたあとは、声に出して読んでみます。口で言って、きつく聞こえる言い方は、紙の上でもきつく見えます。そこで、AI(ChatGPTなど)に、保護者の目で読んでもらう方法もあります。AIの直した文は、そのまま使わず、先生の言葉に直して使ってください。
項目ごとに、書き方の順番を決めておくと、あとから足したり直したりするときも楽になります。おすすめは、「見出し→決まり→理由」の3段です。
【決まり】前日までのご連絡で、月に1回、振替ができます。
【理由】次の予定のレッスン枠を、ほかの方にも確保したいためです。
この形にそろえておくと、どの項目も、同じ読みやすさになります。保護者の方は、「何を守ればよいか」と「なぜか」が、一目で分かります。
先生ご自身が「決まりを守らせる側」になりすぎないことも、大事です。決まりは、先生と生徒さんが、気持ちよくレッスンを続けるための約束です。約束が守られなかったときも、責める言い方ではなく、「次から、こうしてもらえると助かります」と伝えれば足ります。
まとめ
- 規約は、月謝・振替・休会・退会・発表会・連絡の受付時間・写真の7項目から、よく聞かれることを書きはじめる
- 「してはいけない」でなく「こうしてくださると助かります」と、理由を一言添える
- 入会の日に、保護者の方と一緒に1枚を読む。法律にかかわる所は専門家に確認を
今日やることは、1つだけです。生徒さんから、いちばんよく聞かれることを1つだけ選んで、短い決まりの文にしてみてください。「やらなきゃ」を、「やれた」に。私は、いつでも先生の味方です。
コメント