話題になっているからと、AIに「ピアノ教室のお知らせを書いて」と入れてみた。出てきたのは、たしかに整った文章。でも読んでみると「初心者歓迎」「アットホームな教室です」と、どこの教室にも当てはまりそうな言葉ばかり。生徒さんの顔も、レッスン室の空気も映っていない気がして、そのまま閉じてしまった。ピアノの先生から、こういうお話をよくうかがいます。
先に結論です。よそゆきの文章しか出てこないのは、先生の使い方が下手だからではありません。AIに、教室のことをまだ教えていないだけです。
スマホのメモ帳に「教室ノート」を一度書いておく。それをお願いのたびに貼り付ける。これだけで、AIは先生の教室の言葉で書きはじめます。順番に3つ、お話しします。
動画でも同じ内容をお話ししています。
1. お願いする前に、教室のことを先に教える
今日入ったばかりのお手伝いの方に「うちらしい発表会のお知らせを書いておいて」と頼んだら、どうなるでしょうか。あたりさわりのない文章が出てくるはずです。書けるはずがないんです。教室のことを、何も知らないのですから。
10年通ってくださっている生徒さんなら、レッスン室の空気も、先生の口ぐせも知っています。その方になら、教室らしい文章を頼めます。AIも同じです。知らないことは書けません。先に教えれば、AIは「10年通っている人」に近づきます。
何度お願いしても「初心者歓迎」しか返ってこない、という先生にお話を聞くと、教室のことを一度もAIに伝えていなかった、ということがよくあります。がっかりして当たり前なんです。
「毎回、教室の説明をするの?」と思われたかもしれません。毎回話す必要はありません。一度、書いておけば十分です。
2. スマホのメモ帳に「教室ノート」を書き出す

一度書いておくもの。ぼくはこれを「教室ノート」と呼んでいます。大げさなものではありません。スマホのメモ帳に、教室のことを箇条書きにするだけです。書くのは、この5つです。
- どこで、何を教えているか(例:駅前の自宅で個人レッスン)
- どんな生徒さんが多いか(例:導入期のお子さんと、大人の再開組が半分ずつ)
- 先生が大切にしていること(例:楽譜が読めなくても始められる・発表会は強制しない)
- 保護者の方や体験の方から、よく聞かれる質問
- 教室であった、うれしかった出来事
「うまく書ける自信がない」という先生も、大丈夫ですよ。きれいな文章である必要は、まったくありません。整えるのはAIの仕事です。先生は箇条書きで十分。書く時間は10分もかかりませんし、一度書けば、あとはずっと使い回せます。
3. お願いするたびに、教室ノートを貼り付ける

3つめが、いちばん効きます。書いた教室ノートは、AIに何かをお願いするたびに、毎回いっしょに貼り付けます。
いちばん多い失敗は、書いて満足して、しまいこんでしまうことです。最初の1回だけ貼り付けてそのままにしていると、次の月にはまた「初心者歓迎」のよそゆきの文章に戻ってしまいます。教室ノートは、毎回貼り付けてはじめて効きます。
やり方はかんたんです。メモ帳の教室ノートを長押ししてコピーする。お願いする文章の前に貼り付ける。パソコンは要りません。スマホだけでできます。たとえば来月の発表会の案内なら、AIへの頼み方はこうなります。
あなたは、私のピアノ教室のお知らせを書く担当です。
教室ノートはこちらです。「駅前で個人レッスン、生徒は大人が半分、楽譜が読めなくても始められる、発表会は強制ではない」
このお知らせを教室ノートの雰囲気で書いてください。
変える点は、来月◯日開催の発表会の案内です。
文章はやさしく、短く。保護者の方にも読みやすく。
すると「初心者歓迎」ではなく、「楽譜が読めないところから始めた方が多い教室です」という、先生の教室の言葉で書いてくれます。先生がやるのは、読んで、直して、送るだけ。慣れれば、貼り付けは10秒ほどの手間です。
おまけもあります。教室ノートを書くこと自体が、「うちの教室って、何がいいんだっけ」を考える時間になります。
まとめ
- AIの文章がよそゆきになるのは、教室のことを教えていないから。先に教える
- スマホのメモ帳に、5つの項目を箇条書きで「教室ノート」にする
- お願いのたびに、教室ノートを毎回貼り付ける
今日やることは1つだけ。スマホのメモ帳を開いて、教室のことを1行だけ書いてみてください。1行で十分です。作るのは一度だけで、そのあとずっと使えます。
YouTubeで火・木・土の朝7時に、ピアノ教室の先生のお悩みに答える動画を公開しています。

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