レッスンの最後に「来週までに、ここを練習してきてくださいね」と伝える。生徒さんは「はい」と答えて帰っていく。ところが次の週、同じところで、同じように止まる。叱ったらやめてしまいそうで、何も言えない。ピアノの先生から、よくもらう相談です。
先に結論をお伝えします。生徒さんが練習してこないのは、やる気がないからではありません。おうちで何をすればいいかが、見えていないだけのことが多いんです。
この記事では、叱らずに練習が増える声かけを、3つに分けてお話しします。3つめには、そのまま貼って使えるAIへの頼み方も載せました。
動画でも同じ内容をお話ししています。
「練習してきてね」をやめて、「どこを・何回」を1つだけ決める

「練習」という言葉は、大きすぎます。どこを、何回、どのくらいの速さで。それが決まっていないと、おうちでピアノの前に座っても、手が止まってしまいます。
あるピアノの先生は、毎週の「ここを練習してね」を、「右手だけ、最初の4小節を、1日3回」に変えたそうです。すると翌週、ほとんどの生徒さんが弾けるようになってきた、と話してくれました。
やり方は、かんたんです。レッスンの最後の1分で、「どこを」「何回」「どれくらい」を1つだけ決めます。そして、生徒さんと一緒に口に出して確かめます。
たくさん伝えないと進まない気がしますが、1つだけで大丈夫ですよ。1つできた生徒さんは、次の週、自分からもう1つやってきます。「できた」が、次の練習を連れてきてくれます。
「おうちで、いつ弾けそうですか?」と聞いて、生徒さんに決めてもらう

練習が続かない理由の多くは、やる気ではなく、時間の置き場所がないことです。いつ弾くかが決まっていないと、1日はあっという間に終わってしまいます。学校や習い事で忙しいお子さんも、お仕事のある大人の生徒さんも同じです。
そこで、レッスンの終わりにこう聞いてみてください。「おうちで、いつ弾けそうですか?」
- 「晩ごはんの前に、5分だけ」
- 「学校から帰って、おやつの前に」
こんなふうに、生徒さんの言葉で答えてもらいます。先生は、それを練習メモに書いて渡すだけです。小さなお子さんなら、お迎えの保護者の方と一緒に決めてもらうのもいいですね。
大事なのは、先生が決めないこと。人は、自分で決めたことは守りたくなります。先生に言われたことより、ずっと続きます。
1人ずつの練習メモは、AIに下書きしてもらう

「どこを・何回・いつ」を、生徒さん1人ずつにメモで渡す。効くのは分かっていても、毎週、全員分を書くのは大変です。
そこは、AI(ChatGPTなど)に下書きを頼みましょう。先生はレッスンのあとに、スマホのメモ帳に1行ずつ残しておくだけです。たとえば「あいさんは、右手の4小節、1日3回、晩ごはんの前」。次の文をそのまま貼って、最後に今日の1行メモを足します。
あなたは、私のピアノ教室の練習メモを書く担当です。
生徒さんごとに、今週の練習メモを書いてください。
1人3行まで。やさしく、短く、ほめる一言から始めてください。
「どこを・何回・いつ」を必ず入れてください。
(このあとに、今日の1行メモを貼る)
すると、たとえばこんな下書きが返ってきます。
あいさん、今日の右手、とてもきれいでした。今週は最初の4小節を、晩ごはんの前に3回だけ。来週、聞かせてくださいね。
先生は、読んで、自分の言葉に直して、送るだけです。LINEで送っても、紙に書いてレッスンバッグに入れてもらっても大丈夫ですよ。
まとめ
- 「練習してきてね」ではなく、「どこを・何回」を1つだけ決める
- いつ弾くかは、生徒さんに自分で決めてもらう
- 1人ずつの練習メモは、1行メモをAIに渡して下書きを作ってもらう
今日やることは、1つだけです。次のレッスンの最後に、「おうちで、いつ弾けそうですか?」と聞いてみてください。練習してこない生徒さんも、先生のレッスンが好きで、毎週通ってきてくれています。
YouTube「すごいピアノ教室のつくりかた」では、火・木・土の朝7時に、ピアノ教室の先生のお悩みに答える動画を公開しています。

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