3月と4月の募集が終わると、「今年の生徒募集は、もう終わったな」と手が止まってしまう。春は、どの教室もいっせいにチラシや投稿を出すので、その中で選ばれるのも大変です。そして5月を過ぎると、募集の文章をしまい込んでしまう。ピアノの先生から、よく聞くお話です。
先に結論をお伝えします。教室に来る人は、春に決めているわけではありません。大人の生徒さんは「いつか始めたい人」です。
動画でも同じ内容をお話ししています。
ピアノを習いたい大人は、春に決めていない
大人になってからピアノを始める方は、「子どものころに習っていて、いつかまた弾きたかった」「何年も前から、ずっと気になっていた」という方が少なくありません。何年も思っていた人が、たまたま今日、動いた。それだけなんです。
50代、60代の方は特にそうです。子育てがひと段落した。仕事の区切りがついた。体のことを考えて、長く続けられるものを持ちたくなった。こうしたきっかけは、3月とは限りません。涼しくなって少し落ち着き、「今年のうちに」と思う秋こそ、動きやすい季節です。
もし5月で募集を止めてしまうと、秋に「ずっと気になっていました」と動き出した方に、声をかけられないことになります。その方が、次の春まで待ってくれるとは限りません。
やることは、かんたんです。春の募集を止めても、教室のプロフィールと投稿は消さずに残しておく。扉を開けておくだけで、いつでも見つけてもらえます。
「今だけ」の言葉を「いつか」の言葉に変える
「でも、募集って何を書けばいいの?」と迷ったら、まず、春の募集文をそのまま秋に貼らないことです。言葉を変えるだけで、届く人が変わります。
春の募集文は「新学期です。今なら空きがあります」。これは、今すぐ動く人に向けた言葉です。いつか始めたい人に届くのは、たとえばこんな言葉です。
- いつか弾いてみたいと思ったまま、何年か過ぎていませんか
- 子どものころ以来のピアノでも、大丈夫です
- 50代、60代から始める方も、歓迎しています
空きがない時期でも、募集文は書いてかまいません。「今は満席ですが、来年の春の枠をご案内できます」と一行添えれば、待ってくださる方ができます。待つ人がいる教室は、春に困りません。
また、春以外に動く方には、引っ越しや転勤、前の教室が閉まったなど、はっきりしたきっかけがあることも多いものです。こうした方には、地図とプロフィールの一行が、そのまま効いてきます。
秋の募集文はAIに3案出してもらう
「いつかを今日に」を文章にするのは、なかなか難しいですよね。文章を考えるのは、AIに任せて大丈夫です。新しく入った秘書だと思ってください。先生が決めるのは、誰に向けて書くかだけです。次の頼み方を、そのまま貼ってみてください。
あなたは、私のピアノ教室の秋の募集文を考える担当です。
届けたい相手は、50代60代で、子どものころにピアノを習っていたり、ずっとピアノを弾いてみたいと思いながら、何年も先延ばしにしてきた方です。
「今すぐ」ではなく「いつかを今日に」という気持ちで動けるような募集文を、3行以内で3案作ってください。
すると、「今なら空きがあります」ではなく、「いつかと思ったまま、何年か過ぎていませんか」といった文章が出てきます。先生がやるのは、読んで、選んで、教室の言葉に少し直して貼るだけ。満席のときの一行も、同じ頼み方で作れます。届けたい相手さえ決まっていれば、文章は季節ごとにいくつでも作り直せます。
まとめ
- 大人の生徒さんは「いつか始めたい人」。春に決めているわけではない
- 「今だけ」の言葉を「いつか」の言葉に変え、満席でも次の枠を一行添える
- 秋の募集文はAIに3案出してもらい、先生は選んで直すだけ
今日やることは1つだけです。教室のプロフィールの最後の一行に、「いつか、と思っている方へ」と足してみてください。
募集は、季節ではなく、いつでも開いている扉のことです。「やらなきゃ」を、「やれた」に。私は、いつでも先生の味方です。
YouTubeで毎週土曜の朝7時に、ピアノ教室の先生のお悩みにこたえる動画を公開しています。

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